美容師のご夫婦の夢が詰まった独立開業とマイホーム

敦賀市内にある同じ系列の美容室に勤めていたふたり。結婚を機に賃貸アパートを離れ、住まいを建てようと決意した。「家を建てた後も、お店でずっと働こうと考えていた」と語るように、当初、独立は考えてはいなかった。しかし家づくりを具体的に考えていくにつれて、独立への思いが膨らんだ。「敦賀では14年くらい美容師としてやってきました。将来を考えた時に、妻となら独立してもやっていけると思いました」とご主人。そしてふたりにとって理想のマイホームとはじめての店舗開業、ふたつを合わせた店舗付き住宅づくりがはじまった。

家づくりを振り返り、ご主人が最大の難所だったと語るのはローンの組み方だった。最適な解決方法を求めてホームメーカーや工務店へ相談に行ったが、なかなかいい返事をもらえず難航していた。そんな時、奥様がインスタグラムで「私たちのお店のイメージにマッチしている！」と、見つけたのがSAWAMURAだった。そして担当者との出会いで家づくりが一気に進むことに。「担当者が融資について親身になって相談に乗ってくれて安心できました。この人に任せようと思いましたね」とご主人が語るように、デザイン性への満足度はもちろん、難航していた融資方法についても納得のいく返事が聞けたことが決め手となった。

「住まいは道路に面しているので、通った方がどんなお店だろう？と期待感の膨らむデザインにしたかった」とご主人が語るように、店舗らしい存在感のある外観がポイントになっている。シンプルなファザートの縦に連続する3つの窓は、上部までスッと突き抜けるスリットのような美しいラインを形成。色味は白とグレーで統一してシンプルに。黒のサッシを含めて全体の印象をモノトーンでまとめた。さらに玄関付近には、ジョリパットで仕上げた斜めの壁を採用。手塗りで凹凸のある模様がアクセントになっている。

店内に入るとファザードの窓部分が吹き抜けになっていて、陽光の差し込む明るく開放的な空間が広がる。色味は外観と同じく白とグレーで統一して、照明もダウンライトや間接照明を取り入れて上品さと清潔感を演出した。ご主人は「美容室として営業するためには設備の基準が法律で定められているので、照明や換気など必要な設備を多めに取り入れてもらいました。設計士さんは私が以前勤めていた美容室にも来て、設備を採寸するなど丁寧に対応してくれて気持ちよかった」と希望通りの仕上がりに納得の様子。

店内で特にこだわったのはシャンプー台。お客様が心身ともにリラックスしてサービスを受けられるように、半個室にしてプライベートな空間を演出。やさしい光で照らす間接照明を採用して落ち着いた雰囲気に仕上がった。またお客様から見えないところにも、ご夫婦が使いやすい工夫を施した。商品の在庫で溢れがちな収納スペースには多くの可動棚を設置。商品サイズに合わせた臨機応変な収納を実現して空間を無駄なく活用。さらにスタッフルームとレジの間を動きやすい動線に設計してストレスなく働ける環境を整えた。

奥様がメインで担当した居住スペースは、壁や天井の一部にグレーのアクセントカラーを加えてシンプルな内装に仕上がった。折り上げ天井が印象的なLDKの奥は、ご夫婦の癒しの空間として4匹のウサギが暮らすスペースになっている。また、日中も同じ空間で働いているふたり。ひとりの時間も大切にできるように、それぞれの部屋も設けた。ほかにもキッチンや造作の洗面台などの水回りには収納量にもこだわったという奥様。「パントリーはキッチンのすぐ横にあり使いやすいです。可動棚にして、ものによって高さを変えられるので重宝しています」。

水回りの中でも特に大切にしたのは洗濯スペース。住居が2階ということもあり、洗濯をすべて室内で完結できるように脱衣室にアイアンのハンガーパイプを設置。一度にたくさん干せるように工夫した。脱衣室の隣にはウォークインクローゼットがあるので、干した状態から、しまうまでの動線がスムーズになっている。そのウォークインクローゼットは収納量もポイントのひとつ。「ふたりとも美容師なので、服の数は一般家庭より多いと思います。だから収納スペースは広めにお願いしました」と奥様。実際に使いはじめて、洗濯の動線とたっぷりの収納力に使いやすさを実感している様子。

住む前は、店舗付き住宅だと仕事とプライベートをうまく切り替えられるかどうか考えることもあったとか。しかし実際に住みはじめてみると、通勤時間のない環境に快適さを感じているとか。さらにご主人は「独立すると時間を調整しやすくなり、夜は早めに仕事を切り上げることも。趣味や夫婦の時間をつくりやすくなりました」と、新居で充実した日々を送っている。