投稿日:2019年01月21日
家づくりを考えている多くの方が高気密、高断熱という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、
具体的に高気密、高断熱の住宅のどのような点が優れているのか?という所まで知っている方は案外少ないのではないかと思います。
そこで、今回は高気密、高断熱の家のメリット・注意点などをご紹介します。
高断熱、高気密住宅とは、壁・床・天井などに断熱材を使って高い断熱性・気密性を実現した住まいのことを言います。
「高断熱」とは断熱材を壁などに充填するか、または外側から覆って家の中と外の環境を分け、熱が伝わりにくくすることです。
「高気密」とは室内と屋外の間で隙間風が生じないように、できるだけ隙間を減らすことです。
具体的には、寸法誤差の少ない建材を使い、気密テープや気密シートで施工していきます。
高気密にすることによって、隙間風を家の中に入りにくくすることができるので、省エネの観点からみて非常に良いと言えます。
高断熱、高気密にすることで得られるメリット、高気密にしなかったことにより起こる弊害を紹介します。
断熱性、気密性が高いことで得られるメリットとして
1つ目は高断熱、高気密の住宅とは暑さや寒さから解放され快適な住まいを実現することだできます。
気密性が低い室内環境は、夏はとても蒸し暑く冬は寒くなってしまいます。
冬、エアコンをつけていても温かい空気が屋根から逃げてしまい、逆に冷たい空気が足元に流れ込んできます。
また、夏は暑い外気が室内に入ってきやすく、クーラーをガンガン使わなくてはいけなくなり、電気代もあがってしまいます。
つまり高断熱、高気密に施工することにより、1年を通じて冷暖房に頼ることのない生活を送ることができ、快適な室内環境になるだけでなく、冷暖房のコストを抑えることができるのです。
また地球環境にも優しいといったメリットもあります。
・高気密住宅のメリット
一つ目は、高気密にすることで断熱効果も同時に高くなるということです。
グラスウールなどの断熱材は隙間があります。
そのため風が入りやすくなってしまいます。
例えるなら、断熱は、「あたたかいセーター」気密は「ウィンドブレーカー」です。
冬の寒さに耐えるには、あたたかいセーターの上にウィンドブレーカーを羽織らなくてはいけないのと同じで、断熱性能が本来の性能を発揮するためには、高気密にしなければ意味がありません。
2つ目は壁の中がびしょ濡れになるのを防ぎ、住宅の長寿命化につながることです。
冬の乾燥した外気に比べて、家の中は湿気が多い状態になります。
家の中に隙間があると、壁の内部や床下に湿気が流れ込んでしまい壁の内部が結露しカビを発生させ、さらには柱や基礎を腐らせてしまいます。
サッシやガラス部分に発生する結露は目に見えるため、対処しやすく、それほど心配する必要はありませんが内部結露の場合、知らないうちにカビが大量発生し、健康被害や建物の劣化などが起こらないと内部結露に気づかないということがあります。
内部結露が進行し続けた結果、柱や基礎が腐敗し、建物の強度が落ちてしまいます。
そのため、地震が起こるとひとたまりもありません。
3つ目は、換気を計画通りにおこない外気汚染物質の侵入を防いでくれる点です。
人が生活すると、二酸化炭素や水蒸気が発生します。
昔の家は窓を開けっぱなしにした開放的な家が多かったのですが
最近の住宅は大壁造りの家が多く、部分的に隙間の多い部屋隙間の少ない部屋があります。
隙間があり気密性が低いとうまく換気をおこなうことができません。
汚染物質がたまった部屋にしないためにも、隙間をなくし24時間換気扇をまわさなければいけません。
内部結露を防ぐには、外壁に室内から湿気をいれないようにしなければいけません。
グラスウールなど繊維系の断熱材を使い、高い気密性が必要になります。
しかし、一般的なハウスメーカーでは、まだまだ防湿材の施工を丁寧におこなっているところが
少ないのが現状です。
高断熱ばかりを意識し気密性をおろそかにした結果隙間風が発生したり、床が冷たくなってしまうなどの弊害が
起こります。
断熱性能を高くすることは比較的容易ですが、気密性を高くするのは、現場の技術力が必要になります。
こういった所がプレハブ住宅(工場であらかじめ組み立てる)を得意とするハウスメーカーでは、まだまだ気密性を高くすることができない原因となっています。
高断熱、高気密の住宅について紹介させていただきました。
高断熱、高気密の住宅には様々なメリットがあります。
また気密性能は、家の快適性、省エネ、長寿命化など様々な機能に関係している非常に重要な性能であります。
今後家を建てられる際の参考になればとおもいます。