投稿日:2019年05月25日
住宅ローンには事前審査と本審査の二段階があります。
具体的な審査内容や基準は金融機関によって違うため二つの審査にどのような違いがあるのか、どのようなことを調べられるのか分からないかと思います。
今回は「事前審査と本審査の違い」や「見られるポイント」などを紹介します。
まずは、金融機関に事前審査を申し込みます。
同時に2~3の金融機関に申し込むのが一般的です。
事前審査の結果が出るまでの期間は、一週間程度を見ておくといいです。
事前審査に受かったら、物件の売買契約を結び、本審査に進みます。
本審査では申し込み先を一つに絞り込みます。
本審査の結果が出るまでの期間は「早くて2週間程度」「遅くて一か月」くらいになります。
注文住宅で住宅ローンを組む際の簡単な流れは下記の通りです。
土地購入
始めに住宅を建てる土地を購入します。
土地の購入にかける予算は20~30%です。
広さはもちろんですが駅からの近さや治安などを考慮しましょう。
プラン・予算の決定
土地と建築費を予算内に収められるようにプランを考えていきましょう。
ローン事前審査
銀行による仮審査です。
ネットでの申し込みも可能です。
またこの段階では、複数の申し込みも可能です。
工事請負契約書
施工会社に対する契約です。
報酬金額の支払いも約束するという契約になります。
この段階までに工事のプラン、設計は確定させておかなければいけません。
家を建てるときだけでなく、増改築やリフォームの際にもこの契約は交わされます。
ローン本審査
保証会社による審査です。
仮審査と本審査では基準が違うため、仮審査に通ったからといって必ず本審査に通るとは限りません。
本審査では、住宅の登記や、建築確認済証、工事請負契約書が必要になります。
住宅ローンの契約
ローンの審査に通ったら、契約をおこないます。
注文住宅の場合、この段階で既に施工会社に対する費用は発生しているため、つなぎ融資で支払いを進めておきましょう。
ローン実行
住宅ローンが実行されたら、つなぎ融資の返済と完工金の支払いをおこない、そこで建物の引き渡しが完了します。
事前審査では主に返済能力があるのかを見られています。
具体的には、「他のローンなどの借り入れがあるか」、「信用に問題はないのか」、「返済負担率が条件を満たしているのか」です。
また、「完済時および借入時の年齢・勤続年数・年収・雇用形態」といった項目はほとんどの銀行が考慮すると言っています。
※返済負担率とは、「1年間のローンの返済額が年収の何%になるのか。」ということです。
金融機関によって異なりますが、フラット35の場合は「年収400万円未満の場合は30%以下、年収400万円以上は35%以下」となっています。
本人の属性に関する項目
年齢については、ローンは若い方の方が通りやすいと言われています。
ほとんどの銀行では融資の条件を80歳までに完済することだと定めているためです。
つまり35年ローンを組めるのは借入時の年齢が44歳の方までとなっています。
仮に44歳でローンを組んだとしても、60歳以降の15年間は安定した収入のない状態での返済になってしまいます。
そのため、40歳以降の方は年収に関する項目で審査の基準が厳しくなってしまいます。
銀行としては、なるべく定年までに返しきれる人が望ましいとされているので若い人の方がローンは通りやすいです。
借入金額に関する項目
先ほども「返済負担率」について述べましたが、住宅ローンの借り入れ金額は「返済負担率」によって決まります。
「返済金額」とは利息も含めた金額です。
注意したいのは、自動車ローンなど住宅ローン以外で借入がある方は、その分も含めて返済負担率を計算します。
個人信用情報に関する項目
個人信用情報とは自動車ローンの借り入れ金額や支払い状況、クレジットカードの利用履歴といった金融履歴のことを指します。
クレジットカードの支払いを3ヶ月以上延滞すると記録が残ってしまいます。
本審査でチェックされる項目は2つあります。
「保証会社による物件の担保評価」と「団信の保険会社による健康状態」のチェックがおこなわれます。
保証会社の役割としては、「収入が減るなどしてローンの返済が出来なくなったときに保証会社が代わりに返済してくれる(代位弁済)」ということがあります。
また、ほとんどの銀行はローンを組む方に対して、「団体信用生命保険」の加入を義務付けています。
※団体信用生命保険について詳しいことはこちらをご覧ください。団体信用生命保険とは?
物件の担保評価
物件の担保評価額は決して「物件の担保評価額=物件の購入価格」になるとは限りません。
不動産は定価が定まっている訳ではないので、「購入金額と同じ金額で売れる」とは言い切れません。
そうなると保証会社は周辺の土地相場や建物の劣化具合を考慮して、独自に物件の値段を調査するのです。
健康状態
団信は生命保険のため、加入の際には健康状態に問題がないことを証明しなければいけません。
過去に大きな病気の経験がある方は。保険会社に告知しなければいけません。
01.事前審査に受かっても本審査で落ちることはあるのか?
事前審査は銀行がおこない、本審査は保証会社がおこなうものなのでチェックする内容も多少違ってきます。
そのため、事前審査に通ったからといって必ず本審査に通るとは限りません。
事前審査では大丈夫でも、本審査で重視される「健康状態」が悪ければ本審査で落ちる可能性があります。
また、事前審査に受かったあとに転職したりマイカーローン等を組むなど、本審査までに事情が変わった場合は減額や否決の可能性があります。
02.自営業は審査で不利になるのか?
自営業や個人事業主といったフリーランスで働かれている方は、固定給が決まっているわけではないので、審査は単に年収が高ければ良いというわけではありません。
万が一病気やケガで仕事を休んでも、フリーランスの方はその間の収入を保証されるわけではありません。
しかし、3年以上のキャリアがあり、その間安定した収入があれば審査は通ります。
住宅ローンの審査では、事前審査と本審査の2つがあり、それぞれ審査で見られるポイントは違います。
審査に落ちてしまった場合、またほかの金融機関で事前審査からはじめなければいけません。
スムーズな融資を受けるためにも、どのような事を審査で見られているのか、あらかじめ知っておいた方がいいでしょう。
過去の記事もご覧ください。住宅ローンを組むときの流れ
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