2 世代で返済!親子リレーローンの特徴・メリット・デメリットまとめ

投稿日:2020年09月03日

 

「二世帯住宅を建てたいが、収入の関係で高額なローンを組むのが難しい」

「親世帯が高齢なので住宅ローンを組めない」

 

といった状況で役立つのが、親子2 世代でローンを返していく親子リレーローンです。親 子リレーローンを利用すれば、単独世帯では組めない高額なローンを組んだり、通常のロ ーンより返済期間が長くて返済負担の軽いローンを組んだりして、お得に二世帯住宅を建 てることができます。

ただし、親子リレーローンは、相続トラブルの火種になりやすいです。融資を受けるため の手数料も2 倍かかるので、向き不向きを知っておく必要があるでしょう。

今回は、親子リレーローンの特徴やメリット・デメリット、注意点等をお伝えします。

・親子リレーローンとは

親子リレーローンとは、二世帯住宅を建てるための住宅ローンです。自分で全額借りて自 分で全額返済する通常の住宅ローンとは違って、親子で一つのローンを組みます。細かい 内容は金融機関によっても変わってきますが、基本的には親が80 歳になるまで(住宅ロー ンの上限年齢になるまで)は親が返済し、その後は残ったローンを子どもが返済していく という契約内容になっているのが特徴です。

なお、親子リレーローンは、二世帯住宅の新築だけでなく実家のリフォームなどでも使えます。

・親子リレーローンを利用するメリット

親子リレーローンを利用するメリットは、以下の通りです。

 

・本来なら住宅ローンを組めない高齢の親でもローンを組める

・年収に不安のある子世帯もローンを組んで家を購入できる

・単独世帯で申し込むローンより多くのお金を借りられる

・返済期間が長いので毎月の支払い額も低い

 

住宅ローンは、「今後の収入」で返済することを条件にお金を借りる手続きなので、完済時 の年齢が80 歳を越える場合はそもそもローンを組むことができません。しかし、親子リレ ーローンなら、親の収入がなくなっても子世帯がローンを引き継ぐので、長期のローンを 組みやすいです。返済期間が長くなれば、借り入れの上限額もある程度増やせますし、月々 の返済額も抑えられるでしょう。

そのほか、不動産の持分に応じて、親子の両世帯が住宅ローン減税を受けられるのも強み です。住宅ローン減税制度は、ローン残債が多ければ多いほど控除額も増えていきます。 親子リレーローンで高めのローンを組めば、単独世帯でローンを組むより大きく節税でき るでしょう。また、まだ返済を始めていない段階でも、親子の両方が住宅ローン減税を利 用できます。

・親子リレーローンのデメリット

親子リレーローンのデメリットは、ローンの用途や人生設計が限られてしまうこと。親子 リレーローンは、あくまでも「二世帯住宅を建てて同居する親子」向けのローンです。そ のため、家を建てても同居しない場合は使えません。

また、契約上、親子リレーローンの契約時に団体信用生命保険に入れるのは、親子のどち らか一方です。万が一の際に下りる保険金はひとり分なので、ローンの全額を保険金で完済することはできません。

さらに、家を建ててから転勤・転職・離婚等でライフプランが変わっても、ローンの支払 いが必要になる点にも注意が必要です。住宅ローンを組むことで、マイカーローンやその 他のローン等を組みづらくなってしまうというデメリットもあります。

将来的に二世帯住宅から出ていく予定があったり、お金を貯めてローンを組み、投資やビ ジネスをしたいと考えていたりする場合、親子リレーローンの存在が足かせになってしま う場合もあるので、注意が必要です。

親子リレーローンの利用条件

親子リレーローンの一般的な利用条件は、以下のようになっています。

 

・親子である ・親子ともに安定した収入がある

・現在同居中または同居するために家を買う

・親子リレーローン申込時に親側の年齢が70 歳未満である

・子世帯側の完済時年齢が80 歳未満

・親子リレーローンの引き継ぎ相手となる子どもを一人に限定する

・団体信用生命保険に加入する

 

もちろん、細かい要件は金融機関によって変わりますが、基本的には上記の条件をクリア しないと審査には通りません。親子が協力して返済を進めるローンである以上、同居目的 以外では利用できませんし、安定収入も必須です。親子リレーローンに興味がある場合は、 自分たちが条件を満たしているのか事前に調べましょう。

・親子リレーローンと親子ペアローンの違いを解説

親子リレーローンと親子ペアローンの違い

「親子で返済する住宅ローン」には、「親子ペアローン」というものも存在します。親子ペ アローンとは、親子でそれぞれ個別に融資を受けて、親世帯は親世帯の、子世帯は子世帯 の借入額を返済するローンのこと。まず親が返済をし、その次に子どもが返済を始める親 子リレーローンとは違い、ローン契約を個別に2 本結ぶので、返済も同時に始まります。 また、住宅ローンを2 本契約する関係上、手数料が倍かかってしまうのも大きな違いです。

ただし、親子ペアローンでは、親子の両方が団信に加入できます。ローン契約を1 本だけ 結ぶ親子リレーローンだと、団体信用生命保険に加入できるのは親子のどちらか一方だけ なので、保障の手厚さが魅力的です。

親子リレーローンが向いているのはこんな人

親子リレーローンは、

 

・親が高齢でローンを組めない

・子ども側の収入が少なく希望額でローンを組むのが難しい

 

といった人に向いています。返済期間が長いので、月々の返済負担は小さくなりますが、 その分同居の解消や将来の相続といったリスクに対する備えも必要です。

親子ペアローンが向いているのはこんな人

・親子の収入を合わせてより高額なローンを組みたい

・できるだけ短い期間で住宅ローンの返済を終わらせたい

・親子ともに収入が安定している

 

という人には、親子ペアローンが向いています。親子でそれぞれ融資を受ける親子ペアロ ーンは、親子リレーローンよりも「各世帯の収入」を厳しく審査されるので、その分大き なローンを組みやすいです。 親子リレーローンの審査基準 親子リレーローンの審査基準は非公開ですが、通常の住宅ローンと同様に、収入を始めと した返済能力をチェックされます。

特に、

 

・過去にローンの対応を始めとした金融事故を起こしている

・住宅ローン以外に大きな借り入れをしている

 

という場合は、融資を受けられない可能性が高いです。

短期間に何度も審査に落ちると、ローン審査はますます通りづらくなってしまいます。親 親子リレーローンを利用する場合は、親子ともに過去の信用情報等を調べてから審査に申 し込んだ方が良いでしょう。

・返済中に親が亡くなってしまった場合はどうなる?

親側のローン負担分は子どもが引き継ぐ

団信で保障されるのは、「加入者側のローン借入額」です。団信の加入者が子どもなら、親 が亡くなっても親のローン残債は全額子どもに引き継がれます。もちろん、親から多額の 資産を相続できれば、無理なく親の負担分を返済することも可能です。しかし、資産の内 訳として不動産が多い日本の家庭では、ローンを返済できるほどの現金が残っていないケ ースも少なくありません。親子リレーローンを利用する場合は、万が一の事態に備えて、 親子でローンの負担割合や相続について話し合っておきましょう。

ローンを返済できない場合は家を売るのもひとつの手

親が亡くなってローンの返済ができなくなりそうな場合は、不動産を手放すのも一つの手 です。住宅の売却益でローンを完済してしまえば、ローンの返済に悩むことはありません。

また、家を売ったお金でローンを完済できない場合でも、滞納する前なら金融機関側が相 談に乗ってくれます。無理のない返済プランを提示してもらったり、金融機関の協力を得 て任意売却をしたりすれば、自己破産を避けられるでしょう。

親子リレーローンを組む際の注意点

相続トラブルが起きないように相続の準備が必要

親子リレーローンで建てた住宅は、相続トラブルになりやすいです。たとえば、4,000 万円 の家を親子リレーローンで建て、親が亡くなるまでに2,000 万円返済している場合、不動産の持分は50%が親名義。この場合、亡くなった親の資産は相続の対象なので、「二世帯住 宅の半分」を相続財産として遺族で分けることになります。

しかし、親子リレーローンを組んだ子どもとは別にきょうだいがいて、家以外の財産がない場合、公平な相続をすることができません。「住宅の50%を相続する子ども」が一方的に 得する内容だと、多くの場合、兄弟間でのトラブルになってしまいます。

そのため、親子リレーローンを組むときは、あらかじめ家を相続しない側に生前贈与で財産を渡しておく、遺言を作るなど、公平に相続するための準備が必要不可欠です。

不動産の持分を変更すると贈与になってしまう

親から子へ、または子から親へお金を受け取らずに持分を譲渡する行為は、「贈与」になる 可能性があります。不動産の持分は、出資額の比率と合わせるのが基本です。4,000 万円の ローンを親子で2,000 万円ずつ返済するケースなら、親子の持分はそれぞれ50%。「孫が生まれたお祝いに」といった理由で親が25%の持分を子ども名義に書き換えると、1,000 万 円の贈与をしたという扱いになり、贈与税が発生してしまいます。親子リレーローンを利用する場合は、出資額と持分の割合を厳しく管理するようにしましょう。

・まとめ

親子リレーローンは、収入が少なかったり、親が高齢で単独世帯では十分なローンを組めなかったりする際に便利な引き継ぎ式の住宅ローンです。

ただし、親子リレーローンには審査もありますし、そもそも二世帯住宅の購入・リフォー ムをして同居する家族しか使えません。人によって向き不向きの差が激しいローンでもあるので、親子リレーローンに興味がある場合は、メリットやデメリットを理解したうえで審査を受けましょう。

自然素材の注文住宅を手がける弊社では、住み心地を重視した二世帯住宅もご提案可能です。ローンについての相談も含めて、わからないことがあれば、HP からお気軽にお問い合わせください。

 

 

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